Q&A劇場へようこそ

1人の記者(Q)が私(A)に、いきなりインタビューを始めます。その2人にスポットが当たっていて周りは見えない状況を想像してみてください。そして、2人のやりとりをご鑑賞ください。

Q:問題(症状や人間関係のトラブル)の本当の原因は何でしょうか?

A:意外に思われるかもしれませんが、蓄積されたストレス自体が大きな原因になっています。それを上手に処理すると症状が軽減されて心も軽く、楽になります。逆に、ストレスが蓄積され続けると、やる気・意欲がなくなり、抑うつ的になる他、頭痛・胃痛・腰痛などの身体症状や嗜癖が酷くなります。さらに、感覚鈍麻や麻痺が進み、硬い性格・硬い心のようなものが生じてきます。

Q:そのようなものを生じさせるストレスの正体は何でしょうか?

A:そのとき言葉で表現されずに脳に閉じ込められた否定的な感情です。その感情が蓄積されて、さまざまな症状が出ているときは、脳のある部位の血流量が高い水準で維持される一方で、他の部位のそれが低下していて、脳全体のバランスが崩れています。このことは脳機能の画像化で解明されています。ストレスが蓄積して脳の機能が悪化すると、新たなストレスを招くという悪循環になります。

Q:初回面接ではどんなことをするのですか?

A:まず来談理由や経緯などを伺います。そして、過去の何がストレスになったか、現在の何がストレスになっているかを明らかにしていきます。その人の性格や従来の診断名に執着することはないのですが、症状の種類と頻度から、その人の脳の各部位の機能を大まかに推測(把握)するための簡単なチェックリストをしていただいた上で、解決への道筋を見出して、その具体的な解決方法を含めた見立てをご説明します。最後に、ご一緒に今後の進め方について具体的に決めていきます。

Q:カウンセリングは、ずっと話を聞いて貰うものではないのですか?

A:カウンセラーとしてクライエントが語る言葉に耳を傾けて聞くことは大切なことです。「でも、それではいつの間にか抵抗感が出てきて行き詰ってしまう」「いつの間にか話が逸れてしまう」「本当に言いたいことが言葉として出てこないで、その周りをグルグルしてします」とクライエント自身が実感しておられることが多いと思います。そのときは、その方の心(自己)にも耳を傾けて聞いたことをお伝えします。こちらから本心や本当の主訴を言い当てるようにお伝えすると、「そうなのです」と返ってきます。そのようにして、毎回、主訴を確認します。そして、その主訴と関係するストレスを効率よく処理するために、最新の心理療法をご説明し、そのご利用を提案します。納得されて同意されてから実施します。実際に、それを用いると、無理してお話いただかなくても、ストレスの処理が確実に進みます。それが終わる頃には、新しい話(物語)がクライエントの口から自然に語られてくるので、それに耳を傾けて聞くことになります。これは楽しいし嬉しいときです。

Q:私はいまも「あのこと(あいつ)が原因」と思うのですが・・・

A:「そのこと」が1つの原因になったので、そう思われて当然でしょう。そして、「そのこと」を最初の主訴にするとよいでしょう。当初は「特定の出来事」や「特定の人」が原因と思っていた人が、それを主訴として、それと関係するストレスを処理していくと、それが気にならなくなり、それまでは気にもしなかった、幼少から棚上げしてきた課題があることに気づかれることがあります。ストレス水準が低下して脳の機能が改善してくると、ものの見え方や考え方、そして、主訴も変わるのだと思います。当初から無意識と言われてきた領域に立ち入って自己の観点から問題全体の構造を見通すことができれば、問題から解決までを最短のルートで進むことがきるのではないかと思います。

Q:なぜカウンセラーや心理療法家じゃないと駄目なのですか?

A:カウンセリングでは「共感」を大切にします。相手が語る言葉以外に、その人の感情、人間関係(関係性)、身体感覚にも注目していくと「深い共感」になります。相手が良かれと思うアドバイスをして貰っても、そこに「深い共感」がないと、少しも楽にならないばかりか、逆に、自分が否定されたように感じたり「あんなことを言ってしまったけど、どう思われただろう」と急に不安になってきて、それがストレスになることもあります。「深い共感」によって「深い癒し」が生じますが、そのときカウンセラーや心理療法家はクライエントの苦痛(痛み、気持ち悪さ、だるさ、など)を全身で受け止めています。共感を深くするほど、その被曝量は大きむなり、話を聞くほど苦しくなってきます。そして、それを放置したままでいると自分自身が段々と動けなくなってきます。そんなことを親友やご家族に当然のこととして要求できるでしょうか。できないでしょう。そのために専門家がいます。

Q:それにしても、どうしてそんなに高い(高額な)のですか?

A:特定の組織に属さないで心理臨床活動するとき、どうしても費用がかかります。これが大きな理由です。被曝は避けられないため面接後に処理しますが、その処理能力にも限界があります。より効果的な心理療法を求めてお金と時間をかけて学び続けて、それを実践すればするほど1回での被曝量は大きくなります。特に最新の心理療法では、その面接時間の他に、面接前の準備と面接後の処理に多くの時間を割くことになります。物理的にも身体的にも厳しくなる中で、それでも最新(最先端)の心理療法を、しかも本来あるべきはずの技術料やストレス処理料を料金に含むことなく、提供し続けるのだから「これくらいは当然でしょう」と主張しているのです。「それは人として、一業界人として生きる以上、当然ですね。これで人生の軌道を上手く修正できて、その後の人生において大きな差が生じることを思うと、これは、むしろ、お得(徳)なのではないか・・」と、もうお気づきではないでしょうか。ご理解・ご納得いただければありがたいです。

Q:期間や回数は、どのくらいかかるのでしょうか?

A:一概には言えませんが、目処としては「3カ月」「10回」です。それまでに終われば極めて順調だったとお考えください。10回目の面接の終わりで経過をご一緒に振り返って「継続が必要」となったときは、期間と回数を改めて決めさせていただきます。「もう楽になったから」と早々に中断されると、後で元の状態に戻ってしまうことがありますので、一定期間・回数は(理想的には終了するまで)一緒に取り組んでいただきたいと思います。

Q:それでは「壁が高い」と諦めると思います。誰もが、そのようにタイトに取り組まなければいけないのですか?

A:初回の料金は通常の半額にしています。「とりあえず初回だけ」でもOKです。その後、、例えば、2ヵ月に1回のペースで治療することも可能です。ご自身に合ったあり方を見つけていただければと思います。

A:(観客席に向かって)最後まで、ご覧いただきありがとうございました。興味、関心、期待、喜び、希望、あるいは、絶望、悲しみ、不安、怒り、拒絶感、違和感、異質感・・・のいずれかを感じながら色んなことをお考えになられたのではないでしょうか。これは第1幕にすぎないです。第2幕がどのような設定で始まるかはまだわからないです。再び私がその舞台に立つときは、ただただ舞台監督である心の声にしたがってやるだけです。いま皆様の後方にある扉が開きました。その明るく見える出口からお帰りください。最後に、私とから一言。「全てを、ご自身の心と相談して決めるのがよいでしょう。心のままに!」。

中道誉伯祢作「心」

「心」中道誉伯祢作